grindelwald
アイガー・メンヒ・ユングフラウといえば「グリンデルワルト」と呼ばれる程スイスの中でも最も有名なスキーリゾートのひとつです。
このエリアはユングフラウ三山を中心に、ワールドカップコース有するウェンゲン、007の撮影が行われたシルトホルン、今年からグライダーアクティビティがオープンしたフィルストの3つに分かれ、訪れる人を飽きさせない魅力が広がります。
ユングフラウヨッホ展望台からはヨーロッパ最長のアレッチ氷河の眺望をお楽しみください。
各エリアをじっくり1日かけて滑走するのも良いですが、スキーを履いてエリアを大きく1周し、また出発地に戻ってくるという滑り方も海外スキーの魅力。フェローではグリンデルワルトからスタートし、クライネシャイデック~ウェンゲン~メンリッヒェンへ滑走できるユングフラウスキーサファリにもご案内します。初中級の方は線路沿いを、上級者の方は、途中通過するラウバーホルンの岩場の間を滑り降りるコースがお勧めです。
2018年夏よりグリンデルワルトの隣の駅グルントの改装が始まりました。将来的にはグルントからアイガーグレッチャーの駅へ、また従来のメンリッヒェンへ上がるゴンドラが新しく生まれ変わる予定です。このゴンドラにより、グリンデルワルトの街からのアクセスが非常に良くなり、さらに快適で効率の良い滑走をさらに便利に楽しむことができます。既存の登山鉄道との連携により、機動力が格段に向上します。
毎年1月中旬に行われるラウバーホルンワールドカップ。アルペン三大クラシックレースのひとつで、ラウバーホルンでは複合、滑降、スラローム競技が行われます。滑降コースの距離は4kmとワールドカップでは長距離のなか時速120km/hをも超える迫力ある滑りを、スラロームではさらに目の前で選手が急斜面を落ちていくかのように見える滑りをお楽しみください。金・土曜日のスイス空軍と旅客機の編隊飛行は迫力満点です。
映画“女王陛下の007”で有名となったシルトホルン展望台にある回転展望レストラン、ピッツ・グロリアからの360度パノラマは必見です。ユングフラウ三山の絶景を眺めながらゆっくりランチをお楽しみください。ユングフラウエリア周辺で一番標高が高いので、春先でも良質な雪の中で滑走が可能です。上級者はこの展望台から滑り降りることも可能です。北斜面が多く、シーズンを通して雪質がいいのも魅力の一つ。
グリンデルワルトの街から一番近いスキー場で、ゴンドラ・リフトを乗り継ぎ最高地点のオーバーヨッホまで上がれば、アイガーはもちろんシュレックホルンやヴェッターホルンなどの迫力ある景色をお楽しみください。フィルストグライダーというジップライン型体験アクティビティも加わり、初中級者の方もより楽しめるようになりました。降雪後には軽いパウダーも楽しめるので、オフピステ好きの方にはおすすめのエリアです。
チューリッヒから車で約2時間とアクセス抜群なスキーリゾートで、夏も冬も活気にあふれています。滞在中に便利なスーパーも街中に2つあり、お土産店やスポーツショップも並びます。またグリンデルワルト滞在者に配布されるゲストカードを利用すれば、村で運営するプールやスケートリンクも楽しめます。1日息抜きをしたい日には街から30分のインターラーケンや中世の街並みが残る首都ベルンへのミニ観光も可能です。
321フラン(62歳以上)
コースレベル
メインストリート沿いに位置しており、スーパーやバス乗り場に近く滞在に便利なホテル。オリジナルワインはお土産にも最適です。
メインストリートから少し離れていますが、バス乗り場が近いのでスキーに行くには便利。目の前にはアイガーが聳えます。
初級者の方でも安心して楽しめる場所、それがグリンデルワルトです。ただし決して緩斜面ばかりのつまらないスキーエリアでは決して無く、アイガー・メンヒ・ユングフラウ三山を間近に望みながら滑走が可能で、海外スキーの醍醐味を存分に味わうことができます。シルトホルンへの1日遠征では、晴れた日には大展望のパノラマスキーを楽しむことができます。フェローガイドが効率よくご案内します。
スキーほぼ初心者大学生の孫二人が、スキーや山が好きなおじいちゃんに連れて行ってもらいました。滑走中もホテルからも、初めて見る圧巻の景色に感動しっぱなしの、夢のような一週間でした!観光やアトラクションも充実で、グリンデルワルトを存分に楽しむことができました。海外スキーを経験している大ベテランの参加者の皆様との交流も含め、全てが貴重な体験でした。今度は私がおじいちゃんを連れて行ってあげたいです!
鳴島 弘様、鳴島 涼香様、滝沢 美紀様(東京都、茨城県、千葉県)
ヨーロッパのリゾートでもっとも日本人スキーヤーに人気が高いのが、ツェルマットとグリンデルワルトである。なかでもグリンデルワルトは、『アルプスの少女ハイジ』のイメージそのものの、誰もがどこかで一度は目にしているもっともスイスらしい風景を持つ場所である。
グリンデルワルトはスイスの中央部にあるベルン州ユングフラウ地方に位置する。このエリアには、スイス南部のアルプスのようにフランスやイタリアと裾野を分けるのではなく、スイスだけに位置する4、000㍍級のアルプスの峰々が凝縮されている。
Grindelwald グリンデルワルト
アイガー(3、970㍍)、メンヒ(4、107㍍)、ユングフラウ(4、158㍍)というこの地を代表する三山を筆頭に、ヴェッターホルン(3、701㍍)、シレックホルン(4、078㍍)、ブライトホルン(3、782㍍)、フィンスターアールホルン(4、274㍍)、アレッチホルン(4、193㍍)などが連なる、グリンデルワルトエリアからしか見ることができない絶景が広がっている。その景観は、グリンデルワルトへの玄関口、インターラーケンやヴィルダーズヴィルからは絶対に見えないもの。だからこそグリンデルワルトを訪れる価値は非常に高いと言えるだろう。
グリンデルワルト MAP
ブリエンツ湖とトゥーン湖に挟まれたインターラーケンオスト(オスト:東の意)から、アプト式のユングフラウバーン鉄道でのんびり標高を上げていくと、ツバイリュッチネンで行き先がふた手に分かれる。ひとつは、ツバイリュッチネンからウェンゲン、ミューレン方向へとラウターブルネンの谷を進むもの。そしてもうひとつが、グリンデルワルトに続くリュッチネンの谷を進むものだ。グリンデルワルト周辺のスキーリゾートは、このふたつの大谷に囲まれた広大な牧草地帯に広がっている。車窓から見えるのは、谷あいに白く輝きながら広がる牧草地帯と山岳地方ならではのシャレー風の家々。このエリアでは、おとぎの国のようなやさしい風景をじっくりと楽しむことができる。
グリンデルワルトの村がある場所は、標高1、034㍍とけっして高くはないが、アイガーをはじめとする4、000㍍級の山々の登山基地として古くから栄えてきた。今ではユングフラウ地方観光の重要な拠点だが、長年続く山岳酪農の生活も持ち合わせた歴史と伝統に育まれた地である。
ユングフラウスキーサファリの終盤、メンリッヘンのゲレンデではグリンデルワルトの街とヴェッタ―ホルンがやさしく出迎えてくれる
グリンデルワルトの街並みは2015年の夏から新しく生まれ変わっている。それまでの鉄道駅から伸びるメインストリートの素朴な風景は心に留めておきたい
グリンデルワルト周辺は、大きく分けて5つのスキーエリアと、世界遺産にも指定されているヨーロッパ最大のアレッチ氷河を望むユングフラウヨッホ(3、454㍍)で構成されている。
グリンデルワルトの村からもっとも近いのが、フィルストエリア。アイガー、メンヒ、ユングフラウをはじめ、ヴェッターホルンやシュレックホルンを対面に望み、そしてベルナーオーバーランド地方の最高峰、フィンスターアールホルンを遠望する大パノラマを楽しむことができる。
ふたつ目のエリアはグリンデルワルトの隣の駅グルンドから、ヨーロッパ最長のゴンドラでアクセスするメンリッヘン。
3つ目は、クライネシャイデックエリア。グリンデルワルトから登山電車でアクセスするエリアだが、ユングフラウの三山を眺める車窓からの風景、なかでもダイナミックに迫り出すアイガー北壁の景観がすばらしい。
4つ目は、クライネシャイデックからラウバーホルンを時計まわりに周回して、ラウターブルネンの谷の村、ウェンゲンへといたるエリア。走馬燈のように刻々と変化する景色を楽しめるばかりでなく、アルペンスキー・ワールドカップ開催地のなかでもクラシックレースとして名高い、ラウバーホルンコースを滑ることもできる。
5つ目はラウターブルネンの谷奥に位置するミューレンからシルトホルン(2、971㍍)にかけて広がるエリアである。シルトホルン展望台には映画『女王陛下の007』の撮影に使われたピッツグロリアという360度回転する展望レストランもある。アイガー、メンヒ、ユングフラウの三山を正面に望む風景は、心身ともにリラックスさせてくれるもの。ランチとともに落ち着いた風景を楽しんでもらいたい。このシルトホルンからのコースは、山麓のグリュチュアルプまで、馬の背のような大きなコブが連続する急斜面を、標高差1、500㍍にわたって滑る大滑走ができるコースとして有名。麓のミューレンとアルメントフーベルは、夏のトレッキングでは欠かせないスポット。時間があれば、冬に訪れてみるのも興味深いだろう。
アイガー北壁に沿って走るユングフラウバーン鉄道とユングフラウ三山との調和こそが、グリンデルワルトだけのとっておきの風景だ
グリンデルワルトは全体的に緩・中斜面が多い。しかし、シルトホルンからの急斜面のロングバーンは、上級者やエキスパートの腕試しに最適なコースだ
グリンデルワルトならではの絶景としては、登山電車をリフト代わりにクライネシャイデックへゆっくり登りながら眺める、アイガー北壁をはじめとするユングフラウ三山の景観をお薦めしたい。クライネシャイデック駅に到着すると、ラウバーホルンからスキーヤーが滑り降りてくる。降雪があった翌朝には、アイガーに向かってパウダーを巻き上げる豪快なスキーが楽しめるはずだ。
クライネシャイデックから登山電車をさらにユングフラウヨッホ展望台まで乗り継ぎ、冬の観光を楽しむスキーヤーも大勢いる。この鉄路はアイガーの岩盤をくり抜いて造られ、途中にあるアイガーヴァンド駅やアイスメアー駅には、景色を楽しむためののぞき穴もある。堅固な岩盤越しに眺めるアイガーグレッチャーや冬のグリンデルワルト全景は格別なものだ。
終着駅では、スフィンクス展望台に間近に迫るメンヒの頂が圧巻だ。ヨーロッパ最長、約24㌔もに及ぶアレッチ氷河は、ヴァリス州のエギッスホルン、フィーシュアルプ、ベットマーアルプやリーダーアルプ方面にうねりを持って流れ落ちている。
グリンデルワルトではヘリスキーも行なわれており、雪が豊富な時期なら世界遺産のアレッチ氷河を滑るというめずらしい体験もできる。ここにもグリンデルワルトでしか見ることのできない絶景があり、心に深く刻み込まれるシーンが待っている。夏も美しい風景と讃えられているが、ベルナーオーバーランドのすべての峰々が真っ白に雪化粧した冬にしか見ることのできない風景は、大自然が腕によりをかけて造り上げた神秘的な作品と言ってよいだろう。
ヨーロッパ&ユーラシア大陸で最長を誇る世界遺産のアレッチ氷河(約24km)は、ベルン州からヴァリス州へとアルプスをまたいで流れている
グリンデルワルトでは「ユングフラウスキーサファリ」という大スケールのスキーも楽しめる。それはメンリッヘン、クライネシャイデック、ウェンゲン、ミューレン、シルトホルン、ウェンゲン、メンリッヘン、グリンデルワルトというコースを1日から数日かけてめぐるツアーだ。広大なユングフラウスキーエリアを、点ではなく、途切れることのない線でつないで滑ることで、広大なベルナーオーバーランド地方に点在する、スイスの故郷の姿とも言える風景に出会えることだろう。
滑走するエリアの標高は3、000㍍以下で、牧草地帯で鋭い岩がない地形のため、一度降雪があれば、安全に、そして快適にスキーを楽しめるのもグリンデルワルトエリアの特徴だ。そんな地形も、ここだけにある牧歌的な美しい風景にひと役買っているのだろう。
かつて、欧州各国がそれぞれの国の威信をかけてアルプスのピークに挑んでいた壮絶な時代、1937年7月24日にオーストリアとドイツの合同隊がアイガー北壁初登頂に成功した。それからまだ80年ほどしか経っておらず、マッターホルン初登頂の約半分の歳月しか過ぎていない。それほど困難だったアイガー北壁が征服されたアルピニズムの歴史と、冬の厳しい自然に耐えて酪農を営んできたグリンデルワルトの村がスキーリゾートとして発展してきた過程を、民族博物館でたどってみるのも興味深いだろう。
スキー人生において一度はユングフラウスキーサファリをして、もっともスイスらしい風景のなかで、それぞれが好きな景観を探してみてもらいたい。個人的には、2012年にリニューアルされたユングフウヨッホ展望台から、200以上ものベルナーオーバーランドのピーク群を眺め、グリンデルワルトを中心に東西南北に点在するスイスの数々のスキーエリアの位置やそれを構成する渓谷の姿を探りたいと思っている。