les pyrénées -France-

ピレネー(フランス)

魅惑のピレネー山脈。
ヨーロッパ大陸とイベリア半島を隔てる未知なるエリア
こだわりのスキーと旅を楽しむ グランピレネー

LES PYRÉNÉES France  フランス ピレネー

ピレネー山脈は、東西約430km、南北約100km、西は大西洋から東は地中海付近まで標高3000m級の美しい峰々が最大13座も連なる神秘的な山塊です。
フランス側はトウルーズ空港をゲートウエイにサンラリースラン、グラントウルマーレ、ペラグデ、ルスアルディデン(フランス)、バケイラ・ベレット(スペイン)、グランヴィラ(アンドラ)の3カ国を広大なエリアでダイナミックなスキーをお楽しみください。

魅惑のフランスピレネー

魅惑のフランスピレネー

滞在するサンラリースランへはトゥールーズ空港から約2時間、ホテルは街の中心近く、しかも目の前はゴンドラ乗場という立地の良さ。そして周辺スキーエリアへは専用車移動なので、ストレスなくフランスピレネーの旅をお楽しみいただけます。
フランス随一の豪雪を誇るこのエリアは降雪後、あえて圧雪しない斜面も多く残してあり、自然そのものを感じながらのフリーランを体験できます。
アラン渓谷のヘリスキーやピックデュミディ展望台からのオフピステ滑走など、ゲレンデ派から滑り派まで全てのスキーヤーにご満足いただけるスキーエリアです。

グラントゥルマーレ &サンラリースラン

ツールドフランスで有名な峠ルート、グラントゥルマーレ。サンラリースランから専用車で約1時間3 0 分、ヴァレージュ、トゥルナブー、ラ・モンジー、ピックデュミディの4つのエリアから構成されるフランス側最大のスキーエリアです。
サンラリースランは未圧雪斜面が多く、ゲレンデ脇オフピステに比較的簡単に入ることが可能。最新式リフトで広く開放感のある滑走をお楽しみください。

ピックデュミディ展望台

ピックデュミディ展望台

ロープウェイを2本乗り継げばわずか15分で雲上の別世界とも呼べるピックデュミディ展望台にアプローチできます。断崖上にあるこの展望台からは、ベルデュ山やローラの裂け目などピレネー山脈を一望することができます。
上級者は山岳ガイド同行にてこの展望台からスリル溢れる急斜面とロング滑走を、中級者は中間駅から緩やかなオフピステ斜面をお楽しみください。

スキー場 DATA

  • スキーパス 6日
    261.3ユーロ
  • シニア料金

    243ユーロ(70歳以上)
    61ユーロ(75歳以上)

  • リフト・ゴンドラ数
    94 基
  • コース総延長距離
    325 km
  • 最大標高差
    1200 m

コースレベル

  • 1
  • 2
  • 3
  • 4
  • 5

コースレイアウト

ホテルメルキュール

ホテルメルキュール

オーナーをはじめ心地よいホスピタリティ溢れるサービスが受けられます。地元の食材を活かした郷土料理、充実したスパなど、特別な滞在ができるとリピーターからも大好評。

「世界の雪の絶景」 ピレネー(フランス)

未知なるヨーロッパ第2の山塊。 ピレネー山脈のフランス側をめぐる

ピレネー山脈でスキーというイメージは、日本ではまだあまりないかもしれない。また地元の人たちにも「日本人スキーヤーとは出会ったことがない」とめずらしがられる。それは現地の新聞やテレビ、市長や村長に「アルプスがあるのに、なぜピレネーまでやってきたのか?」とたずねられるほどのものだ。

フランスとスペインを隔てるピレネー山脈は、かつて、そこから先はアフリカ大陸だと思われていたというヨーロッパの人々にとっても辺境の山塊。東西約440㌔、南北約130㌔。ヨーロッパ大陸において、アルプスに続く規模を持ち、その成り立ちはアルプスよりも古く、歴史的、宗教的にも神秘に包まれている山塊だ。山々は花崗岩を中心に構成され、標高の低い部分には石灰岩質もある。標高は1、000〜3、000㍍が主でアルプスよりも低いが、フランス、スペイン、アンドラの3カ国にまたがる山脈には13座の3、000㍍級があり、最高峰のアネスト山(3、403㍍)を筆頭に、重厚な風景を造り出している。

ピック・デュ・ミディからフランスピレネーを望む

ピック・デュ・ミディからフランスピレネーを望む

フランス、スペイン、アンドラと 3カ国を滑りわたる壮大さ。 それがグランピレネーの魅力

1000年以上前から続くカトリックの巡礼街道、サンチャゴ・デ・コンポステーラをはじめ、ルルドの泉で名高いルルドなど、カトリックの聖地が点在。古今東西を問わず、多くの信仰深い人々が集まってくる。また最近では世界遺産、ガルヴァルニー渓谷やモンペルデュ(伊:モンベルディード)でのハイキングも日本で人気が高まっている。

フランス南部のミッドピレネー地方、スペイン北部のカタルーニャ州やアラゴン州、そしてアンドラ公国にまたがるピレネー山脈には、フランスだけでも33ものスキーエリアが点在し、ロングコースのゲレンデや広大なサイド&バックカントリーが広がる。「グランピレネー(Grand Pyrénee)」という言葉のとおり、北部のフランスから南部のスペインへ、そして東部のアンドラへと、ピレネー山脈をゆったりと縫うように連なる渓谷を滑り渡るという壮大なスキーが楽しめる。アルプスのそれとはまた異なる独自のスキー観と風景。ピレネースキーでしか体験できない魅力の数々を、まずフランス側から紹介していく。

雪が降ったら、たまらない。 フランスサイドに広がる ふたつのパウダー天国。

ピレネー山脈のフランス側では、トゥルーズ空港から車で約2時間に位置するサンラリースランと、そのひとつ西側の渓谷に位置するグラン・トゥルマーレが、規模、レイアウトともに屈指のスキーエリア。フランスピレネーの大パノラマで有名なピック・デュ・ミディ展望台も、このエリアにある。

サンラリースラン
広大なBC&SCエリアがあり 降雪の有無で表情が一変する

サンラリーの街は、フランスからスペインへと続く街道にあり、今なお中世の面影を色濃く残す。かつて、聖母マリアがルルドに出現する前に、サンラリーの街に来たという言い伝えもあり、その教会は今も静かに建っている。サンラリーの街より高台にあるスランの村は、ピレネー山脈に生きる牧童の暮らしを彷彿とさせる寒村だ。

サンラリースランとふたつの名前を併せ持つスキーエリアは、標高1、700〜2、400㍍まで、奥へ奥へとつながる広大なスキーエリア。そのゲレンデの規模の大きさも魅力的だが、それ以上にスキーヤーの心をつかんで離さないのはサイド&バックカントリーエリアの広さ。降雪があれば、どこもかしこも滑り放題。オープンバーン、ツリーラン、そしてゲレンデ内パウダーと、フリーライドスキーの可能性を存分に楽しませてくれる。氷河や急峻な岩肌からなるアルプスでは、ここまで自由自在なフリーライドスキーは楽しめない。そう言っても過言ではない世界が広がり、雪の量が多いときは、一日中、グルーミングバーンを移動以外に滑ることはないと言えるほどだ。新雪の有無によって、これほど表情が変化するスキーエリアは世界でもめずらしく、もしもサンラリースランで新しい雪に恵まれなかったなら、フランスピレネーの壮大な景観を存分に楽しみながら滑ってもらいたい。そして、またいつの日かリベンジしてもらいたい。

ピレネースキーの魅力のひとつは、渓谷をスキーで滑り渡ったり、車で移動する途中で、古代や中世の歴史遺産にたっぷりと出会えることだ。サンラリースランからグラン・トゥルマーレへと移動する途中にも、16世紀にフランスとスペインの一部、そしてピレネーを統治したガストンフブス王の城、マーヴェザン城趾やエスカラデュー教会など、すばらしい歴史遺産が残されている。

グラン・トゥルマーレピック・デュ・ミディからの ロングBCルートが魅力

ピック・デュ・ミディから 望むピレネーの日の出

ピック・デュ・ミディから 望むピレネーの日の出

サンラリーの街から約1時間半、雪深いカンパン渓谷に入っていくとラ・モンジュ村に行きあたる。 ツールド・フランスの山岳ステージの舞台として知られているが、冬は豪雪地帯として有名で、トゥルマーレ峠からバレージュ村にかけては行き交うことができず、そこがグラン・トゥルマーレの一部にもなっている。周囲一帯、まぶしい限りのスノーフィールドが広がり、見上げればピック・デュ・ミディの展望台(2、887㍍)がそそり立っている。

このグラン・トゥルマーレも、サンラリースラン同様、サイド&バックカントリーの聖地と言えるスキーエリア。天体観測所としても機能しているピック・デュ・ミディにロープウェイを2回乗り継いで上がれば、南側にフランスピレネーの大パノラマが広がる。東からアネト(3、403㍍)ピック・デュ・ヌーブル(3、092㍍)、ピック・デュ・ロング(3、194㍍)、モン・ペルデュ(3、352㍍)と名峰が並ぶ様は、まさに圧巻だ。

この山頂駅からピック・デュ・ミディの広い山麓に向けて3方向──ラ・モンジュ方向、さらに東の麓方向、グラン・トゥルマーレ&バレージュ村方向──にオフピステルートがある。実際に現地に立つと、あまりに気軽にオフピステにアクセスできる自由度の高さだが、上級者オンリーの難易度の高いルート。3、000㍍級のエリアなので、絶対に山岳ガイド同行でトライすべきフィールドである。また、これもあまり知られていないが、グラン・トゥルマーレの鞍部から約35㌔に及ぶオフピステルートを楽しむことも、天候や積雪に恵まれれば可能だ。もちろん、それなりの装備は必須で、トラバースや平地をスケーティングする場所もあり、すべてが快適とは言えないが、この壮大なバックカントリーシーンでしか出会えないフランスピレネーの絶景は生涯の宝物になるに違いないはずだ。

フランス側に限らず、ピレネーのスキーエリアのすごさは、オフピステもエリア内ならかならずアバランチコントロールしていること。表層の雪を吹き飛ばすシステムも、ダイナマイトをはじめ、さまざまにある。エリア外は自己責任で滑るのが前提だが、そのエリアへの進入が、あまりに簡単で開放的なのがアルプスや北米との違い。そこに山岳スポーツに対する、ピレネー地方独自の感覚を垣間見ることができる。

ピック・デュ・ミディを訪れたのなら、ぜひ山頂のホテルに1泊してもらいたい。天気の良い日には、夕日に染まる神秘的なピック・デュ・ミディのひとときを楽しめる。夜には満天の星空を観測。翌朝には、ゆったりと東の空から昇ってくる太陽とピレネーの朝焼けを。滞在したからこそ体験できる3つの至福の絶景を存分に堪能してもらいたい。そして、優雅な朝食のあとには、興奮のピック・デュ・ミディ山頂からのバックカントリースキー。これほど充実した時間と、ときめく瞬間の連続は、スキーライフのなかでもそうたくさんはないはずだ。

フランスピレネースキーのすばらしさは、まさに旅であり、もし雪が降りすぎてスキー場がクローズしたときにも、明日へ持ち越したほうがもっとすごいスキーができるだろうという期待になることだ。そんな余裕はルルドをはじめ、周辺に情緒あふれる歴史遺産が多いからこそ生まれるもの。この地が刻んできた風景と出会い、この地で暮らす人々と触れ合うことも、忘れられない旅の風景のひとつとなるに違いない。

ここでは、サンラリースランとグラン・トゥルマーレ周辺を中心にフランスピレネーの心に残る風景を紹介してきた。これ以外にも「ピレネーの女王」と形容される温泉地であり、ピレネー最高峰のアネト山の絶景を楽しめるリュション、スペイン国境に近く美しい景色のなかを滑れるペラグデ、もうひとつのパウダー天国、ルス・アルディダンなど魅力に満ちたスキーエリアが点在している。続いてスペイン、アンドラへと足を延ばし、ピレネー山脈の南側と西側の絶景を紹介したいと思う。