les pyrénées -Spain-
ピレネー山脈は東西430km、南北100km、西は大西洋から東は地中海付近まで3000m級の美しい山々が13座連なる大山塊です。ア
ネト山を望みながら広大なエリアでダイナミックなスキーをお楽しみください。
スペインピレネーではアンドラ公国での特別なスキー体験をやグランピレネー山脈全てをお楽しみいただけます。
フランス側へも足を延ばすなど、広大なロケーションでピレネーエリアならではのスキーと旅が皆様をお待ちしています。
滞在はゲレンデ直結のリゾート、バケイラ。スペインらしい気さくで暖かな雰囲気で出迎えてくれます。意外にも積雪は豊富で、開放的なパウダーサイドカントリーが楽しめます。
バケイラは個性豊かな3つのエリアが繋がっており、スキーでの3山横断滑走が可能です。ベナスケ渓谷や小さな独立公国アンドラへのスキー遠足もご案内。オプションでベレットからバジェルゲ村に滑り降りるオフピステ滑走にもご参加いただけます。
スペイン最大規模、人気リゾートNO.1がカタルーニャ地方に位置するバケイラ・ベレットです。アラン渓谷の最奥に位置する変化に飛んだ地形は「バケイラ」、「ベレット」、「ボナイグア」と3つの起点を広範囲に渡ってゴンドラ、リフト、スキーコースによって連絡されています。最高峰アネトを中心にスペインピレネーの迫力ある大パノラマは言葉では表現できません。圧雪された豊富なロングコースから中級者面のオフピステまで滑走エリアは尽きません。
アラン渓谷の街ビエッラに基地を持つピレネーへリスキー。アネト山の麓など標高1,200mから3,000mに無数のスロープをもち、スペイン流のダイナミックな滑走体験をお楽しみいただけます。誰も滑っていない無垢の雪面に自分だけのシュプールを刻む快感はたまりません。比較的安価で、ヘリスキー始めての方にも参加しやすいのも魅力。
60以上の山々の囲まれ、ピレネー最高峰のアネト山を眼前に臨むスキーエリア。比較的標高が高く雪質も良いのが特徴です。中斜面が多く長距離の気持ちの良い滑走が可能で、最長9kmのロングコースも自慢です。ピレネーらしいスタッフの人懐こさにふれてください。日本からきたといえばきっと驚いて大歓迎してくれるような、そんなローカル感溢れるエリアです。
46.5ユーロ(70歳以上)
17ユーロ(75歳以上)
コースレベル
ヒマラヤをモチーフにした、上品かつ気さくなホテル。板はゴンドラ駅に預け、手ぶらでスキーに出発できます。地元の食材を取り揃えたビュッフェ形式のディナーもおすすめです。
辺境のイメージの強いスペインスキーですが、実はとても便利で計算されたリゾートなんです。ホテルからゴンドラまでは手ぶらで移動し、ゴンドラ乗り場でスキー道具をロッカーから出せば後はゲレンデに飛び出すのみ!3つの山が横につながるゲレンデでは簡単なサイドカントリーも楽しめて、無理せず様々なスキーを堪能できます。 夕食が始まるのは夜8時。遅く感じるかもしれませんが問題ありません!ビュッフェ形式で好きなものを好きなだけ食べるスタイルなので配膳を待つ必要なし。イベリコ豚やハム、チーズを始めとするピレネーの自然の恵みを、気楽に楽しむことができます。
ヘリスキーが安い!スペインならご飯も美味しいだろう!という理由でピレネーに参加しました。ヘリに乗るワクワク感、自分達だけでシュプールを描く爽快感、初めてでしたがやってみて良かったです。食事もシェフが鉄板で好みの肉や魚を焼いてくれ、種類も多いブュッフェに大満足。でも、一番は人が少ないので、広いロングコースを一気に滑ったり、脇のパウダーに埋もれながら下りたりと、色々な楽しみ方が出来るゲレンデでした。また行きた!!
益田和子 外山麻子 中野陽子様(大阪府)
ヨーロッパ大陸の最南端に位置する太陽と情熱の国、スペイン。フラメンコ、闘牛、サグラダファミリアやアルハンブラ宮殿などの歴史文化遺産、そして、サッカーのリーガエスパニョーラなどが、一般的にスペインという国に対してわれわれが持つイメージなのかもしれない。しかし、スペインと隣国のアンドラ公国、そしてフランスにかけては、ヨーロッパアルプスに続く規模を誇るピレネー山脈が、東西約440㌔、南北約130㌔にわたって連なっている。なかでも、スペイン北部のカタルーニャやアラゴンから東側のアンドラにかけては、モンテペルディド(3、352㍍)やピレネー最高峰のアネト山(3、404㍍)を筆頭に3、000㍍級の大規模な山塊が続く。そして、その間を大氷河が幾重にも流れる、複雑、かつ重厚なピレネー山脈の雄姿が壮大に広がっている。
スペイン最大規模のバケイラは、もっともピレネーらしいスキーエリア。完璧なグルーミングの整地、サイド&バックカントリー、ツーリング、ヘリスキー、そして絶景とすべてがそろっている
スペインといえば、最南端のアンダルシア地方のグラナダに、もうひとつの3、000㍍級の山が連なるシェラネバダ山脈がある。そこは地中海を隔てて北アフリカのアトラス山脈を望む地。ヨーロッパ最南端のスキーエリアがあり、ソルイニエベ(太陽と雪)が広がっている。スキーエリアは標高3400㍍の位置まで広がり、1996年にはアルペン世界選手権を開催したほどの設備を完備するという驚きがある。そんな意外性に満ちているのがスペインスキーなのだが、ここではフランス編に引き続き、スペイン側のピレネーの魅力を紹介していきたい。そこは、ヨーロッパアルプスを何回も訪れたスキーヤーをも虜にするほどの、スペイン最大の最高級リゾートだ。
カタルーニャの北西端に位置し、フランスと国境を接するアラン渓谷。谷は北に向かって開けていて、中心都市はヴィエッラ。そのヴィエッラは、北へスペインからフランスへと抜ける古代ローマの頃からの山岳の拠点。古代ロマンシュ語では、ヴィエッハ。「古い」という意味の名を持つ街である。スペインの南側からはアラゴン州、カタルーニャ州への分岐を繰り返しながら、ヴィエッラへとたどりつく。ピレネー山脈にいたる十字路とも言えるヴィエッラは、時空を越えてアラン渓谷の歴史と文化を育んできた魅惑の街。ロマネスクスタイルの教会が、街道沿いや山麓の村に点在する風景は、まるで古い時代にタイムスリップしたかのような錯覚に陥るほどである。
そんなヴィエッラは、夏や秋、スペインピレネーのトレッキングルートを行き交う人々を、やさしく受け入れてくれる場所だ。フランスからスペイン、そしてアンドラへと、ピレネーを国境を越えて抜けるルートはいくつかあるが、ヴィエッラのあるアラン渓谷は古くから峠越えとピレネーの入山基地として、その機能を果たしてきた。ポルティヨン峠、ボナイグア峠など、アラン渓谷からフランス、そしてアンドラへと、ピレネー山塊の絶景を楽しみながら旅するための絶好の拠点となっている。
スペインピレネーの象徴、アネト山(3, 405m)は地元の人々の誇り。その日の天候や時間帯によって、さまざまな表情を見せてくれる。「今日も美しいだろう!」。誇らしげにパトロールが教えてくれる
バケイラの滞在は、中心のホテル街だけでなく、山麓にはシャレ-、コンドミニアムが点在し、セレブたちが集う
スペイン北部にも約20カ所のスキーエリアが存在するが、その景観と圧倒的な滑走距離を楽しむにふさわしいスキーエリアが、このアラン渓谷に位置するスペインピレネー最大、そして最高級のスキーリゾート、バケイラである。ヴィエッラからは東へ約10㌔ほどに位置している。
1964年に創業し、2014シーズンで50周年を迎えたバケイラは、これからも発展し続けることを予感させる未来志向のウィンターリゾート。周辺には立派な樅の木が群生し、それはバケイラのロゴマークにもなっている。1、500〜2、800㍍と標高こそけっして高くないのだが、バケイラの街を中心に、アラン渓谷の最高地点の峠でもあるボナイグア、牧草地帯のベレット高原と、すべてのエリアがゴンドラやリフト、Tバーなどでつながり、3つのエリアすべてがピレネー山脈の大自然へとスキーヤーを誘ってくれる。
スペインピレネーの魅力といえば、まず洗練された雰囲気。そして、広大な滑走エリア。完璧なグルーミングバーンとロングコース主体のレイアウトは、海外スキーというよりも、スペインスキーのグレードの高さを実感させてくれるものだ。さらに、氷河を抱く高山が織り成す絶景のもとを滑るスペインピレネーのオフピステも、その魅力を大きく引き立たせるもの。オフピステとゲレンデとが一体となって生み出す、迫力と美しさが調和した景観は、まさに絶景のスノーフィールドだ。サイドカントリーやバックカントリーを徹底した安全管理によって積極的に解放し、エリアによってはスノーモービルやヘリをリフト代わりにしたスキーも楽しめる。そうしたあらゆる可能性を追求するスタイルが、バケイラの未来志向性の高さを印象づけているのだろう。
夏は広大な牧草地帯となるベレット周辺を挟んで、絶景の南斜面、北斜面から構成されている。グル―ミングバーン、オフピステともにロングコースが自慢で、ベースではクロスカントリーや犬ぞりも楽しめる
スキーライフのなかで、いつか出会いたい風景と、いつか楽しみたいスキースタイルを、バケイラを中心とするスペインピレネーでは満喫できる。それも、特別な景観と規模、そしてさまざまな機能を備えた地で、さらに旅として。そんな滞在や独特な食文化とともに楽しめる夢のスキーエリアが、このスペインピレネーだと言うことができるだろう。
バケイラはゲレンデだけでも十二分に楽しめるが、一度降雪があれば、ベレット、ボナイグアとともに、終日、ノートラックのパウダーを楽しめるエリアになると言っても過言ではない。新しい雪を探しながら滑っていると、そのバーンの広さに対する感激と、スペインピレネーが見せる絶景に対する感動とが押し寄せてくる。
また神秘なる最高峰、アネト山が天空高くそびえる雄姿と、その左右を覆う氷河の美しさを間近で感じながらのスキーも見逃せないもの。そこには、他のエリアでは絶対に見ることのできない風景が広がっている。スペインの中央部、フランス側、アンドラ側と、360度見渡す限りピレネー山脈という風景を見て、その存在をより大きく、そして近く感じることができる。どこから見たときにアネト山がもっとも美しく映るのか? 立つ位置や時間帯を変えて探してみることで、アネト山が持つ神秘性を肌で感じることができるはずだ。
ピレネーは全体的にオフピステを積極的に開放しているイメージが強いのだが、そのなかでもこのバケイラは群を抜いて楽しめる場所だ。その極上のパウダーと標高差を求めて、フランスピレネーから数多くのスキーヤーが国境を越えてやってくる。アネト山を眺めながらのダイナミックなヘリスキーも、バケイラならではの楽しみ。またベレットでは、リフトではアクセスできない山の裏側のエリアまでスノーモービルでアクセスしてバックカントリーを楽しむスタイルの人気が高くなっている。ほかにもシールをつけてのスキーツーリングやクロスカントリースキーなど、あらゆるスキーヤーのニーズ、価値観を満足させてくれるサービスがある。そんなさまざまなスキーヤーが混在し、思い思いに自分たちのスキーを楽しんでいる光景もバケイラにはよく似合う。
スペインの夕食は、都会でもスキーリゾートでも開始時間が遅い。どこでもまず小腹を満たすには、バルに行くと決まっている。カヴァやシェリーを飲みながらチョリソーやハモンイベリコをつまみ語らうのが、スペイン流の夕食前のひとときである。たしかに日本人にはきついかもしれない。しかし、バケイラでも夕食のスタートは20時以降から。どんなにお願いしても、これは早くならないのである。それが彼らのライフスタイルであり、文化なのだから、彼らはそれを変えないし、変える必要もないのである。そのためかスペインのスキーヤーは、リフト終了ギリギリまで貪欲に滑っている人が多いように感じる。
スペインではバルも粋であり、心地よく洗練された時間と雰囲気を持ち、なぜか旅情をそそられる。晴れた日の夕刻には、アラン渓谷を挟んで立ち並ぶ真っ白な山塊を、オレンジやピンクへと染めていくピレネータルデセール(ピレネーの夕暮れ)を眺める至福のときが待っている。そして夕食の頃になれば、アラン渓谷の上空では月が銀色に光り輝き、手を伸ばせばつかめそうな満天の星空が広がっている。このアラン渓谷から見る夕景と星空は、ピレネースキーのもうひとつのご褒美と言えるものである。
スペインピレネーとともに訪れたいのは、建築家、アントニオ・ガウディの作品、サグラダファミリアだろう。世界文化遺産にも指定されているので冬でも人気が高く、現在も2026年の完成をめざして工事が進行している。
もうひとつ見てもらいたい観光スポットは、バルセロナから西に約50㌔に位置する石灰岩質の奇岩、モンセラット、通称「鋸山」だ。かつてイスラムやバーバリアンの脅威が迫ったとき、従順なカトリック教徒が岩の洞窟に「黒いマリア」を隠したという伝説で有名な場所だ。今もなお黒いマリアは教会にひっそりと安置されている。この教会は、近代スペイン独裁政権のもとカタルーニャ語を禁止された際には、隠れてカタルーニャ語でミサを行なっていたという。この地方の人々の心の支えであった教会なのである。
今回紹介してきたスペインピレネーの最高級リゾート、バケイラは、50周年を機にさらに世界中のスキーヤーから注目されるに違いない。この地方独特の絶景と、現在にいたるまでの歴史的背景があり、そして、あらゆる可能性を秘めたスキーイングを約束してくれる。新感覚の海外スキーとして、皆さんにも、ぜひスペインピレネーに注目してもらいたい。