madonna di campiglio
世界自然遺産ドロミテエリアの西端、知る人ぞ知るイタリアの名門リゾート、マドンナ・ディ・カンピリオ。オーストリア=ハンガリー帝国、ハプスブルク家ゆかりの地としてヨーロッパ各国のスキーヤーに人気のエリアです。
近年ではアルペンスキーワールドカップで日本人史上4人目となる表彰台に湯浅直樹選手が上ったことが記憶に新しい場所。メジャーな観光地とはひと味違う北イタリアの歴史・文化を味わうことができるスキーエリアです。
マドンナの主峰チーマトッサ、チーマブレンタ両山が正面に見えるメインエリア。緩斜面から急斜面までバリエーション豊富です。
長年アルペンスキーW杯を開催してきた名物3-treコースは滑り応え十分。
滞在中一度は滑って頂きたいコースです。
マドンナ・ディカンピリオから車で約50分ほどで到着し、真横に広がる扇形のエリアと氷河エリアからなるスキー場。アダメッロ山の山麓に位置しプレセナ氷河や3000M級の山々に囲まれたエリアで滑り応えは抜群です。中斜面が無数に伸び雪質も良く滑走可能エリアは広大で1日では決して滑りきれないほどの広さを誇ります。氷河エリアはゴンドラが架かり更に便利になりました。
2015年にチンクエラーギからゴンドラが繋がりアクセスが良くなったエリアです。これにより更にエリアが広がりなりました。雪質も良く、名峰チーマトッサを間近に見ながらの絶景スキーを楽しめます。間近に迫るチーマトッサを眺めての滑走はエリア随一の景色を堪能出来ます。ピンゾーロの街まで滑り降りれば1500M以上の標高差を滑り降りることが出来、滑り応えがあります。1日飽きることなく滑走を楽しめるエリアです。
ロングターンでゆったり滑走するなら、上部の広大なオープンバーンがおすすめです。下部には林間コースや急斜面などもあり、上級者の方も満足のできるレイアウトとなっています。地形を利用したコースが特徴で、スリリングな滑走と、燦々と降り注ぐブレンタドロミテの太陽がマドンナスキーの魅力を一層引き立たせます。
ロングコースを滑るならこのエリア。ファミリー向けのレイアウトながら本格派の上級コースも随所にあります。
ランチで寄るピザレストランも人気です。
貴族文化の根付く街らしく、ゆったりとした時間が流れます。
コンパクトながらショップやカフェは多く、週末には出店が出るなどアフタースキーも充実しています。
イタリアスキーの醍醐味はやはり「食」。グリル、パスタ、ピザなど、マドンナでの食事は一味違います。
スタッフおすすめのゲレンデレストランにお連れします。
コースレベル
街の中心に位置し、アフタースキーの街散策に便利です。ゴンドラまでも徒歩約3分の好立地のため、毎日陽が沈むまでスキーを楽しめます。 4つ星ホテルで食事、部屋ともに充実しています。名門リゾートで優雅な滞在をお約束します。
北イタリア名門のスキーリゾートと知られ、ゲレンデへのアクセスは抜群です。 宿泊のホテルから徒歩約3分で最寄りゴンドラに乗り、日替わりで広大なエリアを楽しみます。コースレイアウトも充実しており、滑り派の方は是非、ワールドカップの「3-tre」コースにチャレンジしてみてください。バス移動が苦手な方にもお薦めです。1日は専用車にて氷河エリアのパッソトナーレにご案内します。上質な雪質で変化に富んだ滑走を堪能できます。
念願のマドンナは、青い空に浮かぶ独特の厳しい岩山に向かって、ビシッと圧雪されたバーンを気持ち良く流せる快適なスキー場。各ゲレンデへのアクセスも良く、W杯の3TREコース、パッソトナーレの氷河や、グロステのわくわくコース等充実。ランチもお洒落、エビ入りカボチャスープは絶品!アフタースキーは毎日両手一杯のお買物、ホテルの充実ディナーとデザートブッフェで、夢のような至福のバカンスでした!
坂本 麗子様(神奈川県)
イタリアとオーストリアの国境付近の絶景としては東側のドロミテ山群が有名だが、スイスとも国境を交える西側にもヨーロッパアルプスの絶景を楽しめるスキーエリアが点在している。
その地となるトレンティーノ・アルトアディジェ州は、ボルツァーノを中心とし南チロルとも呼ばれるアルトアディジェ地域と、トレントを中心とする州南部のトレンティーノ地域からなる。今回はそのなかでも、南チロルのボルツァーノ&メラーノ(メラン)周辺、トレンティーノを代表するブレンタ・ドロミテ&アダメッロ氷河・プレザネーラ氷河エリア、そして隣接するロンバルディア州にまたがるオルトレス&ステルヴィオのふたつの国立公園と大きく3つのエリアを紹介していきたい。
南チロル&ブレンタ・ドロミテ
これらの3つのエリアは、ヨーロッパアルプスでもまれに見る絶景が凝縮された驚きの地。そこで出会う風景は、「本物」「手つかず」「未知」という言葉が適切であり、情報化が進んだ現在でも、待っているだけではなかなかたどり着くことはできないものだ。その土地に好奇心を持って掘り下げ、数回にわたって訪れなければ出会うことができない知られざる絶景の宝庫と言っても過言ではないだろう。
今まで日本にあまり紹介されてこなかった理由は、近隣に大きな国際空港がないことがひとつ。そしてもうひとつが、歴史的背景から言語、文化、人種ともに複雑で、州や県が違うことから観光プロモーションを積極的に行なってこなかったことだ。互いにライバル関係になってしまうため、あえて情報公開しないようになっている感もある。しかし、トレンティーノ・アルトアディジェ州の景観のすばらしさは言葉には尽くせないもの。人生で一度は訪れるべき価値のある、知られざるヨーロッパアルプスとして、ぜひ注目していただきたい。
ブレンタ・ドロミテには、ドロマイテの岩山群とアダメッロ&プレザネーラの大氷河が広がり、ゲレンデから本格的なバックカントリーやツアーまで、スキーヤーの心を存分にかきたててくれる
トレンティーノ・アルトアディジェ州の北部に位置する南チロル(ボルツァーノ自治県)には、「チロル」という名にふさわしい美しい風景が広がっている。
チロルという地域名は、中世、神聖ローマ帝国時代、この地がティロル伯の領地だったことに由来する。その後、オーストリア・ハンガリー帝国のハプスブルグ家の当主に継承され、ドイツ語圏の文化を築いてきた。しかし、国境に近い南チロルはイタリア語圏との交錯地域となり、その文化の影響も少なからず受けてきた。そして第2次世界大戦以降、北チロルと東チロルはオーストリアに、南チロルはイタリアに属することになったという経緯を持つ。
南チロルは北側でオーストリアのチロル州と接し、3、000㍍級のエッツターラーアルペンやスチューバイターラーアルペンを望む。そして南側にはイタリア最北のテッサ山群やサルデューラ山群がそびえ、ボルツァーノやメラーノなどの風光明媚な街が続く。ボルツァーノを起点に西にスイスのグラウビュンデン州まで延びるアディジェ渓谷やヴェノスタ渓谷には、氷河を抱く険しい山塊と、のどかなぶどう畑が織り成す美しい風景が広がっている。
メラウ周辺のスキーエリアでは、イタリア、オーストリア、スイスへと続くすばらしい景観が楽しめる
その穏やかな景色とは対照的に、第一次大戦ではイタリアとオーストリアの山岳戦争の歴史を、第二次大戦ではムッソリーニとヒットラーがブレッサノーネ(ブリクセン)で極秘会談を開いたなどの歴史を持つ。また、オーストリアとの国境となるブレンナー峠からアディジェ川と並行して延びるヴィップ渓谷は、いにしえから東西に走る通商の街道として栄え、現在でもイタリアとオーストリア、ドイツ、東欧を結ぶ産業道路として機能している。
南チロルの県都、ボルツァーノにはエッツィ(Ötzi /別名スノーマン)が保管されている県立考古博物館がある。エッツィとは、1991年にエッツタール氷河(オーストリア)で発見された約5、300年前の男性のミイラのこと。2005年に開催された愛知万博(愛・地球博)で展示されたことをご記憶の方もいるのではないだろうか。彼の存在は、古代、氷河を抱く山岳エリアにも狩猟民族が存在していたことの証。その姿をボルツァーノで見ることで、この地が古代から連綿と受け継いできた歴史の重さを感じられるのではないだろうか。ちなみに彼が発見された場所がのちにイタリア側のシュナルスタールであることがわかり、ボルツァーノの博物館で保管・展示されている。また、南西にオルトレス山群、南東にアダメッロとプレザネーラの氷河群、北にエッツターラーアルペンを望むシュナルスタールの夕景も、一度は見ておきたい美しい風景である。
南チロルの街、ボルツァーノやメラーノ周辺には、オーストリアの氷河やドロミテ山群を遠望する絶景のスキーエリアが点在する。
ボルツァーノの街外れから出ている ロープウェイと登山電車でアクセスする「レノン高原」では、登山電車の駅舎の上部にスキーエリアが広がっていて、東側正面にはドロミテ山群が一望できる。ガイスラー、サッソルンゴ、シリアール、センチネール、カテナッツォなど、独特の形を持つドロミテの名峰が並ぶ大パノラマは圧倒的なものだ。
レノン高原へ運んでくれる登山電車は、テレビ番組『世界の車窓から』でも紹介された風光明媚な景色を楽しめる列車。ボルツァーノの街から標高2、000㍍まで広がっている高原には、「ヒュードウ」と呼ばれる奇岩が石塔のように立ち並ぶ場所も。これは石灰岩質の軟らかい岩が、気の遠くなるような年月をかけて風雪によって削られてできあがったもの。周囲の牧歌的な風景との対比を楽しんでもらいたい。
もうひとつの街メラーノには、ヴェノスタ渓谷に沿って走るローカル列車でボルツァーノから50分ほどでアクセスできる。避暑地、温泉リゾート、そしてワイン生産のメッカとして1年をとおして多くの人々が訪れる場所だ。
このメラーノの北にはサン・レオナルド村があり、さらに北上してティンメルヨッホ峠を越えれば、そこはエッツタールのゼルデン(オーストリア)である。夏にはオーストリアからメラーノ、そしてボルツァーノへと抜ける恰好の移動ルートとなる。
スキーの中心は「メラーノ2000」というエリア。ここでも北にオーストリアのチロル州の氷河群、東には雲海に浮かび上がるドロミテ山群、そして西側にはシュナルスタールの氷河スキーエリアという景観を楽しめる。さらに目を南側の穏やかな山麓に移せば、中世の古城がヴェノスタ渓谷を見下ろすようにそびえ立っている。
旅人がもたらす活気とこの土地が生む癒やし、そして食の恵み。3つの渓谷が交わり三角州のような地形となっているメラーノには、初めてなのにどこか懐かしい山岳風景が待っている。多くの山岳書を残したカリスマアルピニスト、ラインホルト・メスナーも南チロル出身であり、彼の名を冠した山岳博物館もあるので、訪れたときにはぜひ立ち寄ってもらいたい。
サニーヴァレーの奥へ、そしてステルヴィオ国立公園へ、さらに絶景が広がるオルトレス山系へと誘ってくれる
東からボルツァーノ、メラーノとふたつの街が続くヴェノスタ渓谷。その谷あいの道をさらに西に移動していき、途中で左折して南進していくと、プラトの村を経由して、ヴァル・ソルダ(スルデンバッハ)、トラフォイを経てステルヴィオ峠へといたる。世界を見渡してもまれなオルトレス山系の絶景は、ここステルヴィオ国立公園のヴァル・ソルダ周辺の本格的なバックカントリースキーエリアでしか見ることができないものだ。
北イタリアの名峰、オルトレス(3、905㍍)周辺は、この地域でもっとも厳しい豪雪地帯。そして、夏でもオルトレス登頂が一番むずかしいと言われるほど、険しい山容を持つ。そんな人間を寄せつけないような厳しい山、オルトレスと周囲の風景との調和。そんな絶景をメラーノからわずかな移動で楽しむことができる。
ヴァル・ソルダには広大なゲレンデを持つスキーエリアも広がっており、標高3、000㍍級だからこその雪質のよさを誇っている。それも充分に魅力的なものだが、それ以上に大きな魅力をヴァル・ソルダのバックカントリーは持っている。非常に雪深く、秘境とも言える地だからこそ見ることができる景色のなかのスキーは、この地に足を踏み入れた瞬間から胸の高まりを感じてしまうほどのものだ。
イタリア最大級のアダメッロ氷河とオルトレス山系は、日本のスキーヤーにとって未知なる領域である
一般的に「西のドロミテ」と言われ、世界遺産にも指定されている「ブレンタ・ドロミテ」。トレンティーノ・アルトアディジェ州の南部トレント自治県に位置し、西側にトナーレ峠(1、884㍍)を隔ててロンバルディア州と接するイタリア屈指の山岳地域である。ドロマイテの奇岩で構成されているチーマ・トーサ(3、136㍍)、チーマ・ブレンタ(3、153㍍)をはじめ、いくつものピークが林立している。
地質学的には東のドロミテと共通しているが、スキーでは12のスキーエリ会社も異なり、西のドロミテではマドンナ・ディ・カンピリオ、ピンゾーロ、ファルガリダ、マリレヴァ、トナーレ、ポンテレーニョの6つのスキーエリアを1枚のスキーパスで滑走できる「スキーラマ」というロング周遊滑走スタイルをウリにしている。
ブレンタ・ドロミテの中心は、やはりマドンナ・ディ・カンピリオ。アルペンスキー・ワールドカップの男子スラロームで使われる「トレ・トレコース」が有名で、ヨーロッパ屈指の高級スキーリゾート地でもある。 優雅なスノーヴァカンスを楽しめるブレンタ・ドロミテだが、イタリア最大の「アダメッロ氷河」と「プレザネーラ氷河」に立ち入れば、この地でなければ見られない壮大な風景を楽しむことディ・カンピリオの街から眺めることができるが、シールをつけてハイクアップしてバックカントリーへとアクセスすれば、格段に違う迫力のある絶景を楽しめる。「アダメッロ(3、554㍍)」と「プレザネーラ(3、558㍍)」から流れ出る大氷河群と、猛々しくも太陽に照らされて明るいブレンタ・ドロミテ山群が作り上げる風景は圧倒的。それをダイナミックに滑りながら楽しむことができる。
高級リゾートとして名高いマドンナ・ディ・カンピリオが持つもうひとつの顔、本格的な大氷河のなかを滑るバックカントリースキーの絶景は、やはり人生で一度は経験したいものだ。
北イタリアの南チロル地方とトレント地方。トレンティーノ・アルトアディジェ州として統合されながら、南チロルはドイツ語圏として、トレント地方はイタリア語圏として、別の道を歩んでこれまで発展してきた。今回紹介したように、この地は海外スキーリゾートとして、また山岳スキーの基地として、大きな魅力と可能性を持っている。渓谷と峠が折り重なるイタリア、オーストリア、スイスの国境付近は、ドラマチックな風景に出会える場所。訪れる者を一気にいにしえへと誘う時空を超えた絶景に出会うために、ぜひ訪れてもらいたい。