valle d'aosta

ヴァッレアオスタ

西はモンテビアンコ、北はモンテチェルビーノと
ヨーロッパアルプスには欠かせない名峰を持つ随一のスキーエリア、
ヴァッレアオスタ

Valle d’ Aosta ヴァッレ アオスタ

イタリア内で最北西部に位置するヴァッレアオスタ州。州都アオスタは初代ローマ皇帝アウグストゥスが現在のスイス方面やフランス方面に勢力を拡大させるために重要な拠点としたことで知られ、今もなおローマ帝国時代の城壁跡や城そのものが残存しています。
周辺にはぶどう畑が広がり、ワインや郷土料理に溢れ、スキーだけではなく食や文化など総じて滞在を楽しめるエリアであり、古代と現代が交錯する珍しい場所でもあります。

ヴァレーブランシュの滑走ガイドライン

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スキーヤーなら一度は経験してみたい氷河スキー「ヴァレーブランシュ」。回転ロープウェイでエルブロンネル展望台まで上がり、ダンテ・デル・ギガンテを正面に見ながらスタート。セラック帯を間近に自然そのままの斜面を滑り降ります。滑走終了時にはビル10階相当の階段をスキーで担いで登るため体力も必要です。オフピステに慣れている中級者以上が対象です。

ラ・トゥイール&ラ・ロジェール

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一番の広さを誇るのが2つのエリアを国境で挟んで合体したラ・トゥイール&ラ・ロジェール。「1枚のパスで2国をまたぎ37 基のリフト類、74コースの合計150km の滑走距離」が謳い文句でイタリア側のラ・トゥイールはワールドカップも開催されるブラックコースから初心者でも楽しめるパノラマコースも兼ね備えています。フランス側のラ・ロジェールではコース幅も広く標高差もイタリア側以上に取れる滑り応えたっぷりのスキーエリアです。

ピラ

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スキーマップからは想像もできない程上部に広がりのある穴場的なスキーエリアです。モンテビアンコからグランコンバン、モンテローザ、モンテチェルビーノ、グランパラディソまで名峰を一気に見渡せる絶好のロケーション。その絶景を眺めながら、ゲレンデからオフピステまで一日中日当りのよい70km に広がるエリアが楽しめます。コースレイアウトの多彩さは1日では足りず何度も訪れたくなる程奥の深いスキーエリアです。

チェルビニア

ヴァッレアオスタ

マッターホルングレシャーパラダイス(3,883m)からは古代、中世とアルプス越えの要所となったテオドール峠を越えてイタリア側へ滑り込むことができます。そこには、滑走距離約14km、標高差1,800mというチェルビニアと、標高差2,000mのバルトルナンシュスキーエリアが広がっています。スイスとは形が異なるモンテ・チェルビーノ(マッターホルンの異名)を望みながら燦々と降り注ぐイタリアの太陽の下、爽快なクルージングをお楽しみいただけます。

スカイウェイ・モンテビアンコ

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総工費154億円を投資された新型ケーブルカーです。中間駅、ル・パヴィヨンを経由し、プンタ・エルブロンネへ、それぞれ、4 分、6 分の短時間での移動が可能です。新しいキャビンは、ドッペルマイヤー製で丸型となり現在の20 人乗りから80 人乗りへと大型化します。新生エルブロンネ展望台の楽しみだけではなく、結露しないヒーティングシステムの入った窓ガラスと360 度回転するキャビンから眺める絶景にも期待に胸が膨らみます。

ロイトール氷河ヘリスキー

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ラ・トゥイールスキー場からピッコロサンベルナール峠まで滑り、ここからヘリに乗り込みます。行き先は、アヴェルナのコルへ。3300m からの標高差約2000m は滑り応え十分。何本か滑る北米のヘリスキーとは違った山脈を滑りきる充実の1本がここにはあります。オフピステ派の方はぜひ、チャレンジしてください。フランス側へ滑り込み、終了後にはイタリアへ滑走しながら帰ります。

クールマイユールの街

ヴァッレアオスタ クールマイユールの街

モンテビアンコやダン・デ・ジュアン、ヨーロッパ三大北壁で有名なグランジョラスに抱かれたクールマイユールの街は、お洒落なリカーショップやアオスタ州産のワイン・チーズの販売店、美味しいイタリアンジェラート店などが建ち並びます。小規模な街ではありますが、スキー用品店も数多く軒を連ねています。アルピニズム発祥の地シャモニーの隣ということでバックカントリースキー関連のお店も多く、日本では販売されていないグッズなど品揃えも豊富です。

アオスタワインと郷土料理

ヴァッレアオスタ アオスタワインと郷土料理

風味豊かなアオスタ名産のフォンティーナチーズは、クセも少なくお土産に最適です。このチーズとキャベツを煮込んだ郷土スープ「ズッパ・ヴァルペリネンツェ」は熱々で寒い日のランチにおススメ。ワインは日本での流通量がほとんどないアオスタ州産赤ワイン、フーミンやナポレオン、ガメイ、ピノノワールなどDOCワインがあります。ブドウの蒸留酒である食後酒のグラッパや、卵のお酒ボンバルディーノなどもイタリアならではですのでチャレンジしてみてください。

Valle d’ Aosta MAP

スキー場 DATA

  • スキーパス 6日
    275ユーロ
  • シニア料金

    242ユーロ(65歳以上)

  • リフト・ゴンドラ数
    86 基
  • コース総延長距離
    670 km
  • 最大標高差
    2050 m

コースレベル

  • 1
  • 2
  • 3
  • 4
  • 5

コースレイアウト

ホテルパヴィヨン

ホテルパヴィヨン

クールマイユールのメインストリートまで徒歩5分、スキー場のゴンドラ乗り場まで徒歩3分と好立地にあるホテル。ジャグジーやプール、サウナもありスキー後に疲れた身体を癒すのには最適です。スーパーも目の前にあります。

valle d'aosta のおすすめポイント

スキー以外の魅力も多いヴァッレ・アオスタ

イタリアの北西部に位置し、ヨーロッパ4大名峰を見ながら滑走できるヴァッレ・アオスタは、イタリア・フランスの国境越えスキーが可能な広大なスキー場を有しています。モンテチェルビーノ(仏名:モンブラン)の麓に滞在し、ヴァレーブランシュ氷河滑走やテルメ(温泉)、展望台観光、州都アオスタのローマ遺跡観光などスキー場以外にも魅力満載です。ツェルマットでお馴染みのチェルビニアもこのアオスタ州に位置しています。

SKIERS VOICE(スキーヤーズ ボイス)

  • ヴァッレアオスタ ファミリースキーの集大成

    ファミリースキーの集大成

    シャモニーへの新婚旅行スキーから20数年、再びモンテチェルビーノを間近に眺めながら絶景の中での滑走と、辿り着いたレストランでのニョッキやFUMIN(ワイン)は最高でした。かつて妻と訪れたクールマイユールは今回の滞在地。広場に佇む教会は昔のままでした。毎日のアフタースキーは家族4人で様々な国のスキーヤーに紛れてスピリッツアペロールで乾杯、ほろ酔い気分の街歩きも至福のひと時で忘れられない想い出になりました。

    宅間 浩司様ファミリー(神奈川県)

「世界の雪の絶景」 ヴァッレアオスタ

アルプス4大名峰が織り成す 絶景を楽しみながら滑る

イタリアの北部に位置し、スイスやフランスとの国境を持つヴァッレダオスタ州は、あのヨーロッパ4大名峰を見渡すことができる唯一の地域と言える場所。4大名峰とは、モンテチェルビーノ(4、478㍍)、モンテビアンコ(4、810㍍)、モンテローザ(4、634㍍)、グランパラディーゾ(4、061㍍)の4座。さらにもうひとつ加えるなら、グランコンバン(4、530㍍)になるだろう。このうちグランパラディーゾを除く4峰は、イタリアとスイス、またはフランスの2カ国に裾野を広げ、見る側によってまったく違う景観を楽しませてくれるのも魅力のひとつである。

ヴァッレダオスタ

ヴァッレダオスタ

アルプスの交通の要衝。 雪が降れば一躍スキー天国に

ヴァッレダオスタは、ツェルマットやシャモニー(ともにスイスとイタリアをまたぐ)のすぐ南側にありながら、あまり日本人スキーヤーには知られていないエリアと言えるだろう。しかし、ツェルマットのシンボル、マッターホルン山頂間近から滑り込むチェルビニアのスキーエリアや、ヨーロッパ最高峰、モンテビアンコの麓に広がるクールマイユール、ラトゥイール、モンテローザ周辺の氷河を抱くエリアなど、ヨーロッパ広しといえどもこれだけの絶景が凝縮されたスキーエリアは、そうはないだろう。

また、ヴァッレダオスタには国境を越えるいくつかの有名な峠があり、古くから続くヨーロッパの歴史を感じさせてくれる。スイスのマルティーニからイタリアのアオスタまでを結ぶグランサンベルナール峠と、そこに建つ修道院はぜひ訪れてほしい場所のひとつだ。ここは、紀元前218年にカルタゴの勇将、ハンニバル・バルカが象を連れてアルプス越えをしたと言われる場所。古代ローマ帝国時代に初代皇帝、アウグストゥスがアルプスの拠点を築いたことで、その歴史をスタートする。そして中世には、ナポレオン・ボナパルトがイタリア遠征でこの峠を越えていったことはあまりに有名であり、巡礼者や商人など多くの人々が、このグランサンベルナール峠を越えて南北を往来したのである。風光明媚で知られるグランサンベルナール峠も、一度雪が降れば、スイス側のスキー場はもちろん、アオスタ側の斜面も絶好のオフピステルートに変貌する。

ツェルマットのクラインマッターホルンからイタリア側に滑り込めば、そこはチェルビニアのスキーエリア。ヴァルトナンシュまで一気に降れば4,000m近い標高差を一気に滑ることができる

ツェルマットのクラインマッターホルンからイタリア側に滑り込めば、そこはチェルビニアのスキーエリア。ヴァルトナンシュまで一気に降れば4,000m近い標高差を一気に滑ることができる

ヴァッレダオスタよりも南にあるトリノやミラノ方面から広がるアオスタ中央渓谷やその支谷は、すべて4大名峰に続いている。ゆったりと開けたアオスタ中央渓谷はフランス国境へと向かってモンテビアンコへ誘い、トナンシュ渓谷はシャティオンからモンテチェルビーノへ。コーニュ渓谷、バランシュ渓谷はグランパラディーゾへ、そしてヴァッレダオスタの奥深い秘境でもあるアヤス渓谷はモンテローザへと導いてくれる。それらすべての渓谷沿いに魅力的なスキーエリアが待っているのだ。

ヴァッレダオスタアルプスの 4大名峰を見渡せる イタリアが誇るスキーエリア

朝焼けに染まるモンテビアンコ。この麓にクールマイユールのスキーエリアとその街が位置する

朝焼けに染まるモンテビアンコ。この麓にクールマイユールのスキーエリアとその街が位置する

ヴァッレダオスタを代表する 個性豊かな4つの宝石

ツェルマットのクラインマッターホルン(3、968㍍)からイタリア側へ滑り込めば、そこはチェルビニア。滑走距離約14㌔、標高差約1、800㍍というチェルビニアのスキーは、多くのスキーヤーが体験しているものかもしれない。しかし、さらに奥深くヴァルトナンシュまで滑り降り、ヴァッレダオスタの壮大な山並みをゆっくりと楽しんでもらいたい。モンテチェルビーノ(マッターホルンの伊名)もモンテローザもスイス側から見るそれとは大きく異なり、モンテチェルビーノはピラミッドのような美しい四角錐の姿を、モンテローザはかつてマルゲリータ王妃が愛したままの姿を見せてくれる。
 
モンテチェルビーノの頂上からヴァルトナンシュの谷底までは4、000㍍もの標高差があり、約150㌔のコースが広がる。グルーミングされたゲレンデと自然のままのオフピステ。腕に自信のある上級者も満足させるダイナミックなスキーを堪能できるはずだ。

テルメ(温泉)で有名なクールマイユールは、ヴァッレダオスタでもっとも古いスキーリゾート。ヨーロッパの最高峰、モンテビアンコの麓に位置し、フランス側から見るモンブラン(モンテビアンコの仏名)とは違った猛々しい男性的な山容を眺めながらスキーを楽しむことができる。その一方でクールマイユールは〝冬の王女〟とも呼ばれ、100㌔にも及ぶコースはさまざまな表情でスキーヤーを迎え入れてくれるはずだ。

そのクールマイユールにほど近いプレサンディディエからフランス側のブルグサンモーリスへ抜けるプチサンベルナール峠には、ラトゥイールスキー場が広がる。ヴァッレダオスタが誇るにふさわしい規模の大きさやコースレイアウトはもちろん、モンテビアンコやブレンバ氷河、グランジョラス(4、208㍍)、ダンジュアンが織り成す景観の美しさがなによりの魅力だ。このラトゥイールは、フランス側のラロジェールスキー場と国境をまたいでつながり、フランスのサボア地方のグランモットやレザルク、ラプラーニュスキー場を望む景観も一度見る価値のあるものだ。

グランパラディーゾを間近に滑ることができるのが、ピラスキー場。アオスタの街からロープウェイで17分という好アクセスも魅力だが、コーニュ渓谷を隔ててグランパラディーゾが正面に迫り、東側にはアオスタの名峰モンテエミリオ、北側にはグランコンバン、そして北西側にはモンテビアンコを一望できるその眺めは、ピラスキー場ならではのものだ。ちなみにグランパラディーゾは、リフトやゴンドラなどをいっさい持たない国立公園保護区であり、スノーシューやクロスカントリーで冬の散歩を楽しめば、シャモアやアルパインエイベックスに出会えるかもしれない。

ヴァッレダオスタだからできる 3カ国をまたぐ 雄大なスキーサーカス

ヴァッレダオスタに行ったらぜひ挑戦してもらいたいのが、イタリア、スイス、そしてフランスと3カ国をまたいで滑り渡る雄大なスキーイングだ。

まずはテスタグリッチアからチェルビニアまでのノンストップ滑走に始まり、さらにヴァルトナンシュまで。ヴァルトナンシュから登り返し、モンテローザ方面へとオフピステを滑り降りていく。アヤス渓谷のシャンポルックからグレッソネー、アラーニャと滑り渡り、ヴァッレダオスタ州からピエモンテ州へと州越えをしながらシャンポルックへ縦走して戻り宿泊。

翌日はピラに立ち寄りモンテビアンコやモンテチェルビーノ、モンテローザを遠望する。小さく見える4、000㍍級の山々が、これまで滑ってきた距離と標高差が壮大なものであることを実感させてくれるだろう。

ピラに立ち寄ったあとはアオスタ中央渓谷からモンテビアンコにいたる渓谷が終焉する街、クールマイユールへ。ヨーロッパ3大展望台の呼び名の高いエルブロンネル展望台(3、400㍍)への回転式ケーブルカーは、2015年3月に一新。新しいエルブロンネル展望台からアルプス4大名峰を望む絶景は、一度は見ておきたいものだ。 2015/16シーズンからはイタリア側からのヴァレーブランシュ氷河滑降がふたたび楽しめるようになった。物音のしない風景、人工物のいっさいない大雪原をダイナミックに滑りながら眺めるモンテビアンコやグランジョラスは生涯忘れ得ぬ景色になるはずだ。

さらに天候や日程に恵まれれば、プチサンベルナール峠付近から出る1日ヘリスキーを。フランス側へと広がるロイトゥール大氷河をヘリスキーで滑走するのもヴァッレダオスタならではの醍醐味だ。上空から眺める4大名峰や周囲に連なるヴァッレダオスタ地方の山塊に思わず興奮を覚えるだろう。

国境を越える街道の拠点として、古くから人々をもてなしてきたヴァッレダオスタ地方の人々。この地では、彼らのホスピタリティと4大名峰の迫力あふれる風景、そして郷土料理やワインを楽しむことができる。ツーリズムの魅力が凝縮された地と言っても過言ではないヴァッレダオスタを、ぜひ一度訪れてほしい。